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モンティ・ホールのジレンマ


 かつて、アメリカのクイズ番組で全米を巻き込んで混乱したひとつの問題があった。そのクイズ番組だか、司会者の名前がモンティ・ホールだったような気がした。オリジナルの問題は次のようなものだ。

 「回答者の前には3つのドアがあり、その中の1つの先の部屋には賞品の車があって当てればもらえる、つまり1/3で当たる状況である。このとき、回答者が初めに開けるドアを指定する。しかし、そこで実際にあけるのではなく、答えを知っている司会者が回答者が指定した以外のハズレのドアを回答者に教える。これで正解のドアは2つに1つになったわけだが、ここで回答者はもう一度ドアを選択しなおすことができる。さて、回答者はドアを変えたほうが良いか、それとも初心貫徹でそのままのほうがよいのか、はたまた変えても変えなくても結局どちらでもよいのか?」

という問題だ。これは確率論的な見方からきちんと答えがある。ぱっと聞いただけでは、最終的に1/2になったのだから、どちらを選んでも良いような気がする。

しかし、これは選択を変えたほうが圧倒的に有利なのである。

これは初めにドアを選択した状況ですでに確率2/3でハズレているというところに注意する。このとき、答えを知っている司会者が、確実にハズレを除外してくれるのだから、現状では2/3の確率で外れていることには変わりない。つまり、残ったもう一枚の方が当たっている確率は高いはずなのである。